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のらねこの生きる道(長編)

昨年の冬くらいから、うちの庭木の下で震えるように丸くなっていた猫がいました。
育ちは野良なのか、飼われていたのが捨てられたのかわからないけど、ときおり見かけるくらいの存在でした。 昨年の7月頃には・・・朝夕にやってきて、窓越しにみゃーみゃー鳴いてうるさいので、あまった魚とか期限切れのハムをあげてやりすごしていたのです。
みゃーみゃー鳴くから「みゃーこちゃん」と勝手に命名し、餌だけ食べて帰るような交流でしたが、食欲が旺盛のためキャットフードまで購入することに。8月に台風が来て激しい風雨となった晩から2日間、ぱったり姿を見せず「どうしたのか」と心配していたところ、3日目に元気に登場。やれやれ。

それから数日後、餌をあげつつ、その行く先を見たら、うちの軒先というか、冬用のタイヤが積んであるところからなんとヨチヨチ歩きの子猫が2匹でてきた~!!生後1ヶ月くらいかな~ 予想外のこの展開に動揺しまくり。子ども産むために餌がたくさん欲しかったんだね。台風の日来なかったのはお産だったのかな?!

しかし、その驚きとは逆行して「子猫をどうしたらいいのか?」という思いもわき、かなりパニくってしまった。
思い切って動物病院に相談したら、「野良猫では・・」と渋られ、飼い主募集の張り紙くらいなら協力するといわれた。保健所は、すぐに引き取りに来るような口ぶりが「処分」ということばだったので、なんだか嫌ですぐに断りました。猫を欲しがる人も身近にはいなかったし・・・いっそ1匹くらいなら、うちで飼ってもと考えたり(犬がいるんですぜ)・・・母子を今、引き裂くのは酷な気もして、どうしたらよいか悩んでしまった。
そんなこんなで私が猫を気にするほど、母猫は警戒心を強めたようで(うちの家族が交互に覗き込んだりもしたから)ある日、私が買い物に行ってる間にいなくなってしまった。
猫にしたら安住の地として、うちの片隅で子育てしていたのに、不用意な人間の目が不安感をあおったのでしょう。
それも私にするとショックで・・・何の力にもなってあげられず、うち以外の場所で、子猫をかかえどこに住処を探すのかと思うと切なくて涙がでました

でも、夕方には親猫は餌をもらいに私のところに来たので「遠くには行ってない」ということがわかりました。
子猫の姿はなくても、母猫は朝一(6時頃)と夕方4時半ころに餌をもらいに来ます。母猫にすれば、おっぱい飲ませるため栄養は摂らないとならないんだ。しばらくして、うちの裏(隣の家の敷地)に親子でくつろぐ姿が見えたので、思わず窓を開けたら、その音でバッと逃げてしまった。反射的に「音がしたら警戒して逃げる」というのを子猫に教えるかのような動きで、これは家庭の猫ではありえない行動だなと思った。
毎日、餌をあげても、飼い主ではないのだし、心が通じているわけではないのだということを痛感した。
今まで人間に裏切られて怖い思いして生きてきてるから、心を許すなんて、とてもできないのでしょう。子猫にも野良猫として生きるしつけをしているんだな~と思い、無理にでも子猫を取り上げない限りは家庭猫として育てるのはむずかしいのだと思いました。

その後、子猫の成長とともに近所を転々としていたようでしたが、餌の時間になるとどこからかやってきました。
おっぱいから離乳食になったとき、母猫はやたら「ウインナー」を欲しがりました。(くわえて持って行きやすく、子猫に分け与えていたよう)そして気がつけば、ある日またタイヤ置き場の隅に3匹でひっそり戻っていました。多分、離乳期から普通食になる時期、子猫が食べる餌の分量として、うちじゃないとダメだと母猫は思ったのでしょう。
子猫が戻ってきてから垣間見る3匹の姿は、見ているだけで幸福感でいっぱい。母猫に抱かれて安心して寝ている子猫はとってもかわいく(まだ時折甘えておっぱい飲んでた)育児疲れで熟睡している母猫もほほえましい姿でした。
そして毎日、野良の生きる術を教えるかのように、物音がすれば物陰に逃げる、人間には警戒する、トイレのしつけ、爪とぎの仕方、戦い方なども母猫がしっかり教えていました。昨年暮には子猫もずいぶん大きくなり、近所でもちょっと目につくくらいになっていた。(餌も3匹でよく食べるし・・)

年が明けてから、こんな日々がいつまで続くのだろう。。。と私自身やや負担に感じはじめたころ、どこからともなく大きな猫がやてきた(これが父猫と思われる)。 町内をにゃごにゃご鳴きながら、うちにもやってきてはまたどこかへ。その前からいろいろな野良ちゃんがうちの周辺に出没すると、母猫は子猫を守るべく戦いモードで自らの体を張っていたのに、その大きな猫にはそういうポーズをとらなかった。むしろ親子でくつろぐかのよう。
大きな猫が2,3日、変な声で鳴いたのち、まず母猫が半日くらいいない日があり(子猫2匹を置いて)、翌朝、子猫のうちの活発で人なつっこい方がいなくなっていた。(そのうち帰ってくるかと思っていたけど、とうとう帰ってこず。)
そしてその翌日、昼頃まで母子でくつろいでいたかと思っていたのに、夕方になっても母猫は帰ってこなかった。子猫も心細くなったようでいろいろな場所で「おかあさ~ん」と叫ぶように何度も呼んでいた。それでも母の姿はなく、子猫は4日悲しそうに町内に響くように鳴きました。(餌は食べに来たが、ショックでもどしたりしていた)

鳴いても母は来ない・・・と悟った子猫は一人ぼっちで耐えているようでしたが、それでも母猫に教えられたことを守り「人間に心許さず」。私とは距離を保ちつつ過ごしていたのです。子猫のうちでもおとなしい方をうちに置いていったのは母心だったのだろうか。自分の安住の地(少なくとも他にいくより)を子猫に譲り、みゃーこちゃんはどんな思いでどこへ旅立ったのだろうかと思うと泣けてきた。

姿を消し10日くらいして隣の庭を歩く母猫の姿が。「みゃーこちゃんじゃない!?」と呼ぶとみゃーと鳴いて近寄ってきた。見るからにやせ細り毛並みも黒ずんでいた。急いで子猫に教えなくちゃ♪と騒いでいたら察した子猫がタイミングよく家の反対側から顔を出したので「感動の親子対面だ!!」と思ったのに・・・・
子猫は耳を警戒の形にして低めの声で「あっちへ行け」というようなアピールを必死にしていた。母猫も以前のようなゆったりと近づくようなことはなく、びくびくしたように去っていったのです。
「どうしてー」という思いで見守る私でしたが、自立した子猫にとって母は自分から去っていった存在で・・・自分のテリトリーに入ってきたよそ者になるのかもしれない。

しかし、母猫は餌にもありつけず辛かったのだろうか、再びやってきたので子猫に見つからないように餌をあげたらすごい勢いで食べた。満腹になった母猫が庭先の陽だまりでうたた寝していたら子猫がやってきて遠まきに母を見て、ちょっとうれしそうに地面で寝転がったりしていた。それをじっと見ていた母猫に子猫がどういう心理でか(攻撃的ではなく)近づこうとしたとき、母猫の方が「来るんじゃない」というように唸ったため、子猫はひるんでいた。「もう親子じゃないんだ」と伝えたかったのかな。
母猫は一休みしたらいつの間にか姿を消してしまった。この近辺にいるのかーまた姿を見せる日はあるのかー  置いていった子猫の様子を確認しに来たんだね。きっと~

野良に餌あげるなんてルール違反なのかもしれないけど、
この半年あまり、母子猫の姿を遠くから見ていて、たくさんのことを母猫から教えられた
何かしてやろうと私が近づくたび警戒し、身を隠そうとする野良猫の生き方は、人間と共存しながらも自然の掟を守る強い意思を感じずにはいられなかったです。
餌となるゴミも個別収集有料化して、野良猫には住みにくい時代だよ。どんどん追いやられてどこへいくんだろう
どこかで元気に生き抜いてほしいよ、みゃーこちゃん。。。ありがとう


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